母と暮せば

 吉永小百合さんと嵐の二宮くんが共演した、山田洋次監督の「母と暮せば」を観た。


 私は父を20代の終わりになくしているので、こういう故人が語るセリフや、死んだ人の運命にまつわるくだりなどは、この作品に限らず、何かのメッセージなのかも知れないと思って受け止めるところがある。

 

 この作品もそうで、戦死のような形で、不意に命を奪われることは、その人の運命などではない、といった吉永小百合さん演じるお母さんの伸子の言葉は、とても深く私の心に届いた。

 

 そしてこの映画の中で丁寧に描かれている、二宮くん演じる浩二の部屋の様子、例えば格子ガラスや、蓄音機や、きちんとしまわれたレコードなどを見ているだけで、すでにこの映画はひとつのアートだと思った。こういう戦前や戦中に培われた端正な暮らしや、戦後、夫や息子たちをなくしても一人でつつましく生きる伸子の生きている姿は、ただそれだけで美しく、こういう生活を見ていると、いつでも、どこでも人は美を作り出していけるのだと思う。

 

 料理ひとつ、掃除ひとつ、その取り組み方で美を作り出していける。

 

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Dean & Deluca

 マンハッタンの物価はとても高い。

 日本のDean & Delucaでは買い物はほとんどしたことがない。住んでいた横浜の横浜そごうにもこちらに来る少し前にDean & Delucaが入ったけど、眺めるだけで滅多なことでは買い物しない。

 その理由は高いから。日本だったら同じお金でもっと美味しいものがたくさん買えるような気がする。

 でもマンハッタンでは至るところで、軒並みものの値段が高く、自炊するための食料品も高い。

 日本では自炊をすれば、惣菜を買ったり、外食をするよりは明らかにコストがかからないけど、そうでもないのがマンハッタンだ。

 Fairwayや、Whole Foodsで買い物をして自炊をしてみても、そこで買う寿司や惣菜を買った方が自炊するのと同じコストで済むようなことだってある。

 惣菜や外食の値段が自炊と変わらないのは、それを作っている雇用者の賃金が安いからだと思う。それはこの街にさまざまな人種の人が行き交っているのをみれば想像がつく。

 こういうことは外食産業に限らず、ネイルサロンのサービス料金にだって反映されている。

 

 話は横道にそれたけど、Dean & Deluca。

 日本では滅多に利用しないけど、こちらではよく買い物に出かける。炊事の苦手な私でもここに来れば何か新しい発見とやる気をもらえる。

 惣菜は高いけど、どこも高いマンハッタンでは大して気にもならない。

 昔、マンハッタンで同じ時間を過ごしたお友達が、Dean & Delucaに来る人たちは、一流を知った上で、敢えてDean & Delucaに来るんだといったような、何か意味深なことを言っていた。当時私には見えていなかった何かを彼女は感じ取っていたのだと思う。

 これはすなわち、訪れる人に物を売るだけではない、何か違う価値観も与えてくれるということなのだと思う。

 新しい発見とやる気をくれる食料品店、Dean & Deluca。

美しい人

 昨日のダイエットに関する記事に続いて、私の美の基準、その中でも私が美しいと思う人について書いてみようと思う。

 

 去年放映されたドラマ、逃げ恥に出演していた石田ゆり子さんのインスタを、フォロワーになって投稿される写真や文章を読んでいるけれど、石田ゆり子さんは私が使っているのと同じゴミ箱を使っている。飼っている猫が、それに乗っていたか、その横の何かの上に乗っていたか、定かではないけれど、猫が乗っても何の問題もないくらい、ゴミ箱はとてもキレイだった。

 こういう時に、そのゴミ箱を管理しているその人が美しいと思う。

 日本にいる時に、多分、朝のトーク番組の中で、吉瀬美智子さんが普段の暮らしぶりを写真で紹介していて、食事の風景で、小さな小鉢が3つ並べてある写真があった。

 こういう時にも、美しい人だと思う。

 

 そしてこれはずっと前、女優の田中美佐子さんが、鞄の中がぐちゃぐちゃな人は好きではないと何かで話していた。

 こういう時もその人に美しさを感じる。

 

 総じて、私は毎日の暮らしの中に美意識を持っている人を、美しい人と思うようだ。そしてそういう人になれるよう、暮らしの中で本当に自分が美しいと思うもの、大切にしたいと思うものを残し、部屋を整えて暮らして生きたいと思っている。

ダイエット最大の敵 in New York

 今住んでいるニューヨークでダイエットをしている。

ダイエットは2歩進んで1歩下がるような、歩みとしては若干スローペースだ。

 その理由は分かっている。理想体重の自分ではなくても何も問題がないからだ。

 

 欧米人は日本人みたいに、女性の体型やファッションについて、ひとつの決まった価値観を持っていない。最近の日本では痩せていることが美のひとつの条件だというのは、私に限らず日本人なら誰しも持っている価値観だと思う。

 

 でも欧米人は少なくても日本人ほど、痩せていることに固執していない。だからぽっちゃり目から、かなりふくよかな方まで、この季節にもなると何のてらいもなくショートパンツを履いて、肌見せをする。

 日本ではこういう感覚の人は、海外にいて昨今の日本の事情も知らないけれど、有名人の中では、おそらく渡辺直美さんやそういうことを売りにしている人くらいのものだろう。

    でもニューヨークでは、渡辺直美さんのような人が巷にゴロゴロいて、そしてそれは何も特別なことではない。

 

 この理由について考えてみた。

 はっと気づいたことは、やっぱり欧米人は元来、狩猟民族だったからではないかということだ。

 狩猟の成功には、農耕における成功ほど画一的な価値観はないと思う。力づくで獲物を手に入れる人もいれば、罠をしかけることでそれをする人もいる。100人狩人がいれば、きっと100通りの狩りがある。

 でも農耕民族の農耕におけるセオリーはあっても指で数えられるくらいじゃないだろうか。それが社会の価値観にもつながっている。その集団で好ましいと思われる画一的な価値観が大勢を占める。

 

 狩猟民族は、狩りの成功の可能性はひとつじゃないという考えから、集団で求められたり好ましいとされる要素は、潜在的に多数にあると思っている。それは個人へ向けられる視線も同じだと思う。

 

 太っている、でも何か他の秘められた可能性がこの人にはある。

 

 ひとつの尺度で物事や人を判断しない。

 それが現代の今でも、人々のあり方に影響している。

 私は日本に生まれて、それに感謝しているけれど、こと個人への視線という点では、欧米社会の大らかさや柔軟性がラクだと感じる。

 

 それが、いずれは日本に帰る日のためにダイエットをしている私に、危機感を感じさせない。そしてそれこそが今の私のダイエットの最大の敵でもある。

ほんとうの私を求めて

 

ほんとうの私を求めて (集英社文庫)

 ずっと忘れていた自分自身を、誰かが自分を信じてくれていたから取り戻すことがある。

 誰かが待っていてくれたから取り戻せることがある。

 

 「どんな人にも人に言えない暗い過去がある」この本の中でそのようなことが書かれていたとき、私はそれが真実だと思った。それは善悪とかそういうことだけじゃなく、人には話したくないような暗い自分の過去だったりする。

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創意工夫

 家の中で、今ある収納場所で、今ある収納用品の使い方を変えたり、物の置き場所を変えたりするだけでより生活がしやすくなることがある。

 そういう創意工夫ができたとき、とてもとても達成感がある。

 今日も3Mのフックの位置を付け替えて、今までクローゼットの高い場所にあって、取り出しにくかった犬のキャリーバッグを取り出しやすくした。

 最初は、ドアの後ろにシューラックを新たに新調して、靴をそこに収納することで、キャリーバッグを置くスペースを作ろうと思って、ネットで適当な物を探していたのだ。それには理由があって、この前アメリカ人のご自宅に行かせてもらったときに、見せてもらったクローゼットが見事なほどにオーガナイズされていて、非常に感銘を受けたからだ。彼女は靴を、壁にかけるオーガナイザーに収納していた。

 そのシューオーガナイザーを彼女はBed bath & Beyondで買ったと言っていたので、同じ物を探してみたけど、適当なものはなかった。

 

 こういうときに頭をフル稼働させて、今ある物で、どうすれば一番効率良く収納できるか考える。本当に必死だ。

 そして何も新たに買うこともなく、ベストな方法を探すことのできたときの気分の良さといったらない。

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七夕の夜に

ゴールデン☆ベスト 山下久美子(EMI YEARS)

 

 私は今、ニューヨークに住んでいるので、日本のサービスであるこのブログを利用していると、記事の投稿日と、私の現時点での時間が半日ずれる。

 一つ前の投稿をして、今この瞬間、日本は7月7日七夕なのだと気付いた。

 七夕にぴったりの曲。

 山下久美子「Tonight」