母と暮せば

 吉永小百合さんと嵐の二宮くんが共演した、山田洋次監督の「母と暮せば」を観た。


 私は父を20代の終わりになくしているので、こういう故人が語るセリフや、死んだ人の運命にまつわるくだりなどは、この作品に限らず、何かのメッセージなのかも知れないと思って受け止めるところがある。

 

 この作品もそうで、戦死のような形で、不意に命を奪われることは、その人の運命などではない、といった吉永小百合さん演じるお母さんの伸子の言葉は、とても深く私の心に届いた。

 

 そしてこの映画の中で丁寧に描かれている、二宮くん演じる浩二の部屋の様子、例えば格子ガラスや、蓄音機や、きちんとしまわれたレコードなどを見ているだけで、すでにこの映画はひとつのアートだと思った。こういう戦前や戦中に培われた端正な暮らしや、戦後、夫や息子たちをなくしても一人でつつましく生きる伸子の生きている姿は、ただそれだけで美しく、こういう生活を見ていると、いつでも、どこでも人は美を作り出していけるのだと思う。

 

 料理ひとつ、掃除ひとつ、その取り組み方で美を作り出していける。

 

  劇中、二宮くん演じる浩二が、アカペラで何かの歌を歌っていた。

 二宮くんには失礼かもしれないが、思った以上に上手だった。やっぱり嵐として、人前で歌を歌われているだけあると思った。